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全国に広げて行きたい

 先週、テレビ東京の「ルビコンの決断」という番組の収録を行った。私は、医師そして政治家という立場のコメンテータ−として出演した。

 今回の内容は、地域の小児科を守ろうとお母さんたちが立ち上がったという内容である。舞台になったのは、兵庫県の柏原(かいばら)病院で、このお母さんたちのすごいところは、自分たちの病院受診の在り方を変えたことである。

 当初彼女たちは、小児科の存続を求めて署名活動を行い県に陳情した。しかし、県からの回答は冷ややかで、彼女たちは自分たちの無力感を感じた。普通はここであきらめてしまうのだが、彼女たちは違っていた。

 県に医師の確保をお願いに行ったのは、今残っている勤務医の負担を軽減するためである。新しい医師が来ないのであるならば、自分たちの受診の在り方を変えて、医師の負担を減らそうと発想を転換した。

 そこで始まったコンビニ受診を抑制しようという運動は、逆に患者さんの重症化を招き、かえって医師の負担をかけてしまうということもあったが、紆余曲折がありながら、最後は受診マニュアルを作り上げた。

 そのマニュアルの出来は本当に素晴らしく、この結果、医師の負担は軽減された。さらに、医師に感謝の気持ちを伝えようという運動を行った。現場にいる私たち医師にしてみれば、感謝の言葉に勝るエネルギーはない。

 この運動が全国に知られるようになり、ついに、このような病院であるならば働きたいという医師が現れた。現在柏原病院は、院長を含めて5人の小児科医が働いている。この運動を知って、医療とは医療従事者と患者さんとの共同作業であることを再認識させられた。

 医師の数が絶対的に足りない我が国にとって、柏原病院での運動は、大きなヒントになるのではないだろうか。私はこのような取り組みを、多くの人に知ってもらえるよう努めていきたいと考えている。
桜井充 * メルマガ * 17:24 * comments(0) * trackbacks(0)

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